A市からノラ猫さん2匹の捕獲のご依頼でした。
長年住んでいた借家から引っ越すことになり、約8年お世話をしてきた2匹のノラ猫さんを飼い猫として一緒に連れて行きたい。ということでした。
ノラ猫といっても、お庭か窓を開放して外猫さん用にしている一室でほぼ過ごしている2匹だそうです。
お家の中に閉じ込めることはできるとのことでしたので、捕獲日の前夜に閉じ込めていただきました。
まず、1匹の茶トラじいじはお風呂場に閉じ込められていました。何故か茶トラさんはお風呂の窓から出入りして、お風呂場でご飯を食べる習慣があるそうです。
シニア猫さんの血圧をあまり上げたくないので、扉の隙間から茶トラさんの背後めがけて、丸めたティッシュをふわっと投げる作戦で、保護完了です。
茶トラじいじ、ご移動ありがとうございました。
続いて、6畳ほどの部屋に閉じ込められているサビ猫さんの室内捕獲です。
部屋の隅にある荷物の裏に隠れていたので、サビ猫さんの背後に周り、長い孫の手でサビ猫さんの背中をツンツン。ツンツン作戦で無事保護完了です。
導線を作って捕獲器に自分ではいるように誘導するほうが、猫用ネットでガバッと捕まえるより猫に与えるストレスが少ないです。
ツンツンしたり、丸めたティッシュを投げても頑なに動かないタイプの猫さんだと、猫用ネットで捕まえさせてもらうしかないのえますが、2匹とも、動いてくれるタイプの猫さんで良かったです。
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茶トラじいじとサビ猫さんの捕獲当日に、依頼主さんから時々ご飯を食べにくる若い猫もやっぱり連れて行きたいから捕獲してほしいと依頼されましたが、お断りさせていただきました。
飼い猫になれば15年、20年生きる猫さんが多くいます。したがって里親募集の場合でも、65歳以上の方に5歳未満の猫を譲渡することはできません。同様に、飼い猫にするための捕獲のご依頼も、65歳以上の方から5歳未満の猫を保護して室内に入れるためのご依頼は受けることができません。
しかも今回の該当猫さんは時々食べにくる程度なのに体格はしっかりしています。主要な餌場が他にあることが予想されるので、触れもしない1、2歳の猫さんを無理してお家の中に入れるのではなく、その猫さんはTNRすることを提案させていただき、その方向で検討いただけることになりました。
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今回のようにご依頼をお断りするケースは時々あります。
例えば
・ノラ猫を引き取ってほしい。保護飼育して里親を探してほしい。
・飼育環境は見せてもらえないけど、触れないノラ猫を格安で保護してくれる動物愛護団体に引き渡したいから捕獲してほしい。
・自分で後日リターンするから手術後はキャリーケースに入れた状態で引き渡してほしい。
・高齢者の方から、若い猫を捕獲して自分のお家に入れて飼いたいというケース。
などなど。
仕事でやっているからせっかく依頼したのにと気分を害される方も居るかと思いますが、猫にメリットがあるとが思えない事に関してはお受けできません。
考え方は様々ですが、猫から目線。としては人慣れしていない健康な猫さんの無理な保護はオススメしていません。短絡的にお外は可哀想だから、一生ケージ暮らしでも室内の方がマシでしょ?という理由には賛同できません。
その理屈で言えば、動物園の動物は幸せだということになります。飢えや渇きもなく安全な檻の中です。でも精神病のようになってしまう動物がいるのは何故でしょうか。私は、動物園の動物が幸せそうだとはどうしても思えないのです。
依頼主さん自身がその猫と向き合って人慣れ、人慣れトレーニングをしてその猫を自分の家族にしたいと固く決意されているならお手伝いします。家族としてお家の中ので自由が保障されて過ごすことができるならそれはノラ猫生活より幸せだと思うからです。でも向きあうのは簡単な事ではないと思います。