古い建物と新しいマンションが混在する街角で、毎日決まった時間に鈴の音が響きます。

その音を合図に、どこからともなく猫たちが集まってくる光景が、この地域の日常の一コマとなっています。

ショップのオーナーさんが日々餌やりをしていた猫たちが、いつの間にか7匹に増えてしまったことから、これ以上の繁殖を防ぐため、不妊手術のご依頼をいただきました。

給餌予定時間より少し早めに到着し、捕獲器のセットを始めると、すでに2、3匹の猫たちが待ち構えていました。

一日一回の給餌のため、お腹を空かせていた猫たちは次々と捕獲器に入り、捕獲が進んでいきます。

「大きな黒猫がもう一匹いるけれど、2,3日おきに来たりする子なので、今日来るかどうか・・・ほかでもごはんもらっているような感じもあります」

しばらく鈴の音を鳴らしたり、スペシャルごはんを用意したりして黒猫待ちをしていましたが、結局現れず、今回は6匹の捕獲で切り上げることにしました。

捕獲した6匹のうち、長毛のキジトラ以外はすべてオスであることが判明。

避妊手術後、依頼者様の奥様とショップのスタッフさんが笑顔で迎えてくださり、全ての猫たちは無事に元の場所へ戻ることができました。

リターン後も毎日猫たちは姿を見せてくれているようなので、一代限りのいのちを今後も見守っていただけたらと思います。

今回は毎日の給餌と見守りが行き届いていたおかげで、スムーズな捕獲作業が実現できました。

ですが、取り壊し予定の建物周辺には、まだ手術を受けていない猫たちも存在しており、今後の開発に伴う猫たちの生活環境の変化が心配です。

地域の方々の協力があってこそ、猫たちとの共生が実現できます。

地域全体で猫たちの存在を受け入れ、支え合うコミュニティの形成が望まれます。

今回のTNR活動を通じて、人と猫が共に暮らせる街づくりに一歩近づきました。

これからも地域の皆さまと協力しながら、一匹一匹の命を大切にする活動を続けていきたいと思います。