ねこから目線。東京の小松です。

子猫さんがいれば、ママ猫さんもいて、

今回は地域問題になりかけていた茨城の現場のお話。

『ねこから目線。東京』は東京とついていますが、内容次第ですが対応範囲は関東全域です。

で、今回は茨城県土浦市まで90kmくらい運転してきました。

子猫の保護から始まった連鎖

倉庫で生まれた子猫さんたち

事の発端は、土浦市の倉庫で働く従業員さんがSNSに

「倉庫に子猫がいる。どうしたらいいんでしょうか」

と投稿したこと。

それを見た方が知り合いのボランティアさんに連絡し、ボランティアさんが生後数週間の子猫さん4匹を無事に保護しました。まだ目も耳も開いていない本当に生まれてすぐです。

しかし、子猫がいるということは、親猫さんも近くにいる可能性が高く、また倉庫で働く方々が野良猫にご飯をあげている方がいるという情報も。このままでは繁殖が続いてしまうーー。

そこで、ママ猫さん含め倉庫に来る大人猫も捕獲、手術することになり、ねこから目線。に出動の依頼をいただきました。

緊急事態宣言です。

まずは倉庫周辺の大人猫の数と、誰が子猫の親なのかを調査するため、カメラを持って現場へ。

グレーさん。おなかパンパン!

すると、なんとお腹がパンパンに膨らんだ臨月の妊娠猫さんを発見!出産間近です。

このままでは子猫がさらに増えてしまう――急ぎ捕獲が必要だと判断しました。

従業員の方にお話を聞くと6月にも倉庫でご飯をあげている子の誰かが出産をし育児を放棄、その時は何頭か貰い手が見つかったが今回はどうすることもできなく困っていたというのでした。

6月に産まれた内の1匹は今も倉庫ですくすく育っていました。

抱っこできたので、抱っこで捕獲

倉庫での捕獲作戦、しかし…

カメラ調査で臨月の妊娠猫さんを発見した日、急いでボランティアさんが預かり先の手配を整えてくださいました。ただ、今回は1日で全頭を受け入れることができない状況。優先順位を決めることにしました。

翌日、いざ捕獲へ!まずは体の小さい子を優先的に保護。さらに人に慣れているメス猫さんたちを中心に捕獲を進めます。ただ、まだカメラでの全体調査が完全には終わっていなかったため、あえて2匹を残してご飯をあげてもらうことにしました。取り逃しがないよう、慎重に調査を続けるためです。

こうして倉庫では最終的に4匹を保護。しかし、あの妊娠猫の姿がありません。倉庫の従業員さんに詳しく話を聞いてみると、「そういえば、あの子だけは来たり来なかったりするんですよね」とのこと。

一体どこに行っているのでしょうか?

捕獲時、出向くと尻尾を立ててご飯の催促にやってきました。

消えた妊娠猫さんを追って

近所を聞き込みして回ると、重要な情報が入ってきました。
「100メートルほど離れた大きなお庭の一軒家で、野良猫にエサをあげている人がいる」というのです。

その餌やりさんのお宅を訪ねてみると、いました!
あの妊娠猫さんです。どうやらここが彼女のお気に入りの場所だったようです。

さらに話を聞いていくと、驚きの事実が判明しました。
なんと倉庫で捕獲したうち2匹は、もともとこの餌やりさん宅で生まれた子たちだったのです。
倉庫と餌やりさん宅、この2つの場所は猫たちにとって生活圏でつながっていたんですね。

倉庫の白猫さんは餌やりさん宅から流れ着いた子たち

予想外の大捕物に

最初、目視とカメラ調査、そして餌やりさんへの聞き込みでは、このお庭には4匹の野良猫さんがいるということでした。しかし捕獲当日、実際に作業を始めてみると…なんと8匹もいることが判明!

調査時、畑にいた生後4~6か月くらいの猫さん達

さらに倉庫の子とは別に、こちらにもお腹の大きな妊娠猫さんが1匹。
こちらも大きなおなかです。

新たに見つかった妊娠猫さん

そして餌やりさんも認識していなかったオス猫が1匹いたのです。

このオス猫、ご飯が置き餌だったこともあり、夜になってからひっそりと来ていたようです。

つまり、「倉庫の大人猫を捕獲」という依頼から始まった今回の案件は、倉庫の4匹と餌やりさん宅の9匹(妊娠猫2匹含む)、合計13匹という地域全体の野良猫問題へと広がっていったのです。

ボランティアさんと協力して全頭保護、しかし…

幸いなことに、今回は預かり協力してくれるボランティアさんもいました。
チームワークを発揮して、全頭の捕獲作戦を決行です。

捕獲当日、お庭に猫さんがおらず、なぜか捕獲器が置かれています。
なんと中には猫さんが2匹捕獲されていました。

捕獲された猫さん2匹。天井には大きな釣り針。
怪我した左手

お話を聞くと餌やりさんが独自に仕掛けた捕獲器で捕獲後半日ほどお庭で放置されていたのです。
捕獲器は釣り針式捕獲器で、捕獲時にびっくりした猫さんは、釣り針で左手にケガを負っていました!

ねこから目線。では怪我のリスクを考慮した世界一猫に優しい捕獲器『TORASUKE』を開発しました。

TORASUKEとは?

【注意】
捕獲した猫さんを日向で長時間放置するのは余計なストレスを与えます。
また釣り針式捕獲器はとても怪我をしやすいため、使用は避けましょう。


安全な入れ物に猫さんを移した後、時間をかけて慎重に、そして確実に、1匹1匹を保護していきます。

グレーママさんも無事に捕獲。

結果、合計13匹、出産した子も含めて合計20匹すべての野良猫さんを無事に捕獲・保護することができました!

ちなみに最初のグレーの妊娠猫さんは捕獲翌日に保護先で出産しました!
間一髪です。

これで、このエリアでの無秩序な繁殖は一旦止まります。
猫さんたちは適切な医療ケアを受け預かりさんのもとで暮らしています。
皆思いのほか早く人馴れしているので、新しいおうちが見つかる日も近そうです!

最初に保護された子猫4匹は元気に成長中!
グレーママさんから生まれた子たち。すやすや眠っています。

野良猫問題は「点」ではなく「面」

今回の現場で改めて実感したのは、野良猫問題は一箇所だけを見ていても解決しないということ。
1匹の子猫の背後には、地域全体に広がる繁殖のネットワークがあることが少なくありません。

「うちの倉庫に猫がいるだけ」と思っていても、実は近隣も含めた広いエリアで問題が起きていることがあるんです。だからこそ、早めの相談と、地域全体を見渡した対応が大切になってきます。

もし、あなたの周りでも野良猫が気になる場所があれば、ぜひお気軽にご相談ください。ねこから目線。は、猫の視点で、地域の猫問題に向き合います。

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