ねこから目線。代表の小池です。
2月の終わり、「京都の山奥に血統書付きのような猫が15匹ほど遺棄されています。人馴れしている子は保護できたのですが、警戒している子たちをどうしたらいいでしょうか?」という相談がありました。

添付されている動画を見ると、汚れてはいるものの長毛で、明らかにノラ猫ではない容姿の猫さんが身を寄せ合っていました。
これはただ事ではありません。
遺棄事件の中でもかなり深刻な事件だと思いました。
犯人は?動機は?警察は動いてるのか?
色んな疑問が頭をよぎりますが、兎にも角にも被害に遭っている猫さんの保護が最優先です。
ねこから目線。は有料で猫に関する依頼に対応する会社ですが、事件性が高いものは動ける時は無料で即対応しているので、相談者さんにも「保護に協力させてほしい」と伝え、詳しい現場の位置を教えてもらい、スタッフ2名体制で現場に向かいました。
京都の街中から車で1時間以上、電波も届かない山奥でした。
街中は少しずつ暖かくなってきていましたが、山頂付近は寒く路肩にはまだ少し雪が残っていました。

現場で相談者さんたちと合流し、詳しい状況を伺うと、遺棄は前日にあったそうで、発見者さんが市内へ買い物に行く時には、山頂付近はいつもと変わらない様子だったのに、数時間後の帰路の時に長毛の猫たちが道路際で右往左往していたそうです。
発見者さんから連絡を受け、ねこから目線。に相談してくださった方含め、地元の方々で手分けをして、すでに12匹は保護。目視できているだけで、あと5匹は散り散りに逃げてしまったとのことでした。
保護できた子の中で1匹はぐったりしていて動物病院に入院しており、命が危ない状況とのことでした。
とにかく、残りの子たちを保護しなくてはいけません。
遺棄現場は、山頂付近の車が停められる所でしたが、猫さんたちは山奥に入ってしまっていました。

山頂付近に車を停め、さらにそこから捕獲器を持って道の無い山の中を探し回る作業は、想像以上に困難でした。

相談者さんたちと手分けをして、探し回り、猫さんを見つけては保護する。という作業を日が暮れるまで繰り返していきました。

1匹で行動している子もいれば、複数匹で行動している子たちもいました。

複数匹で行動している子たちは、捕獲器を手動にして、2匹ずつ慎重に保護していきます。ねこから目線。で制作している捕獲器TORASUKEが軽くて幅広で、かつ小さなKANSUKEだけで手動に切り替えられるので、山の中での多頭保護ではとても重宝しました。心底作ってよかったと思いました(泣)。

事件発生から2日目の捕獲作業では、7匹の猫さんを発見、保護する事ができました。
これで19匹。一体全部で何匹いるのか分からないため、遺棄現場と、山頂、中腹に監視カメラとご飯を設置し、翌朝また現場に向かいました。
事件発生から3日目。
この日は朝から雨が降っていて、とても寒い日でした。
カメラをチェックすると2匹の猫さんが映っていました。

情報共有していた市の職員さんも朝イチで駆けつけてくださり、捜索と保護対応へ。

初日は抱っこやキャリーで12匹保護され、2日目は捕獲器でさらに7匹保護されているので、3日目に残った子たちは、人にも捕獲器にも警戒しているので、雨の中の保護は難航しました。
捜索再開始から1時間ほどで1匹を無事保護することができましたが、最後の1匹がとても警戒して全く捕獲器にも近寄ってくれません。しばらく保護を試みる中で、見失ってしまいました。昼間でも山頂の気温は1〜2度しかなく、雨も降ってきて、猫さんの体力が心配です。まずはご飯を食べてもらうことを優先することにしました。
事件発生から4日目。
カメラをチェックすると、ご飯をしっかり食べている猫さんの姿が写っていてホッとしました。

カメラの映像を見ていくと、発見者さんが置いてくれた他の子達の匂いがついたブランケットを咥えて歩き回る姿が映っていて、胸が痛くなりました。
複数台設置していたカメラを確認しても尻尾の特徴的に残っているのはあとこの子1匹のようです。
事件発生から5日目。

通常の捕獲器では捕まえられないと判断し、ご飯を置いていた場所に大型の自動トラップを設営しました。あとは人の気配を消して猫さんが入ってくれることを祈ります。
前日は暗くなった18時くらいから動き出している様子がカメラに写っていました。

夜8時、再び山に登りトラップを確認すると、無事最後の1匹が入ってくれていました!

「入ってくれてありがとう!」と心から猫さんに感謝をつたえ、一緒に下山しました。
カメラに映っていた子たちはこれで全頭保護。総勢21匹でした。まともな室内で飼われていたとは思えないほど、どの子も全身から酷い悪臭が漂い、痩せ、全身が毛玉だらけでした。

初日に衰弱して病院に運ばれた子は一命を取り留めてくれましたが、前足で這ってしか歩けない状態でした。レントゲンを撮ると、骨盤を4箇所骨折、うち1箇所は粉砕骨折していることがわかりました。遺棄されて車にぶつかってしまったのか、その前に酷い虐待があったのかはわかりません。

生死を彷徨うほど辛い目に遭ったはずなのに、シェルターに連れて帰ると、人の膝に乗ろうと一生懸命に這って近寄ってきて甘えてきます。人間のせいで本当にごめん、とその姿にまた胸が痛くなります。相談者さんが「パスくん」と名付けてくれました。
それでも、おそらく全頭生きていてくれて心からホッとしました。
動物遺棄が「遺棄」として認定されるには、”生命の危険がある場所であったか”ということが重要なポイントになります。保護した子たち全員を病院へ連れていき、医療ケアと同時に診断書も全頭分作成してもらい、警察に提出しています。
レスキュー案件は美談になりがちですが、リアルなところも共有すると、今回の事件で、まる4日間にわたる捕獲作業だけでなく、捕獲した子たちを入れるシェルタースペースの確保や、保護できた子から順次医療ケアに通院したりと、会社としては、スタッフの時間が多く取られ、忙しさは増すのに仕事の依頼を受けられず売り上げは下がるという綺麗事では片付けられない状況に陥ります。
さらに、20匹の医療費に45万円、骨盤骨折の子1匹の整復手術に95万円(お陰でしっかり歩けるようになりました!)、その他諸々含め医療費だけでもおよそ150万円の出費になりました。
ねこから目線。は有料で猫に関する依頼に対応している会社ですが、動物虐待など事件性が高い事案に関しては、すぐに動けるように費用度外視で対応しています。とはいえ、医療費も人件費もかかるので、無料対応ばかりしていては、潰れてしまいます。でも、規模が規模なら、たまたま発見しただけの個人の方だけで負担をするのは限界があります。それに、犯罪に巻き込まれている猫を見て、行ける距離と時間があるのに見て見ぬふりをするくらいなら潰れた方がマシかなとも思いますし、そんな私たちの姿を見て「また仕事依頼したろ!」とか、「ねこから基金にカンパしたろ!」と言ってくださる方々が私たちの周りにはいる。だからきっと無茶しても乗り越えられる、と信じています。
今まで、あまり寄付のお願いをくどく書くことを避けていましたが、カッコつけるのは今日でやめます。
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ねこからナイト次回は5月14日です!
